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About Our Project

EMERALDプロジェクトの設立背景と目的

About EMERALD

EMERALDが目指す量子エレクトロニクスの革新

EMERALDを説明する図式
EMERALDを説明する図式

現代の電子機器は、金属相と半導体相の組み合わせにより、多様な計算機能やセンサー機能を支えています。IoT社会に向かうにつれて、より高い付加価値と機能の向上が求められています。有機半導体を利用した有機エレクトロニクスは、日本が長年にわたって世界をリードしている分野です。この分野では、フレキシブルデバイスの製造や印刷技術を用いた大面積製造など、いくつかの興味深い付加価値が現れています。

一方、最近の凝縮系物理学では、従来の半導体相に取って代わる可能性のある新しい量子相が次々と発見されています。これらの新しい相は、単純な半導体相では実現できない革新的な導電性、磁気的、誘電的特性を示します。有機分子を用いた二次元材料では、超伝導相、強く相関するモット絶縁相、非自明な反強磁性相(アルターマグネット)、スピン液体相、電荷秩序/ガラス相、ディラックおよびワイル金属相、キラル結晶特有の電子相など、数多くの量子相が発見されています。

これらの有機分子に基づく量子エマージェント相は、金属カルコゲナイドなどの無機二次元材料に対していくつかの利点があります。第一に、分子特性を活用して、穏やかな条件下で自己組織化によるデバイス製造が可能です。第二に、材料の端にデバンギングボンドが存在しないため、ラジカルスピンによる電子相のデコヒーレンスの可能性が低く、化学的に安定しています。

これらの量子エマージェント相が量子情報処理やセンシング技術に応用されれば、その潜在的な影響は非常に大きいです。これまでに、申請者を含む研究グループは、有機分子を用いたフィールド効果デバイスで半導体相から金属相(二次元電子ガス)への相転移や、モット絶縁相から超伝導相への相転移を特定し、国際的な注目を集めています。しかし、有機分子における界面電子相の研究はまだ初期段階にあり、国際的な協力を通じた研究開発の加速が強く望まれています。

このような状況を踏まえ、この研究交流は、新しい分子層の開発とそれらの有機量子エレクトロニクスへの応用を通じて、量子エマージェント相の創出と制御を促進することを目指しています。異なる分野、国、世代の研究者間での国際的な交流を促進し、最速の研究進展を実現することを目指しています。

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団体名

EMERALD

代表

山本 裕史

所在地

愛知県岡崎市明大寺町字西郷中38 分子科学研究所 EMERALD事務局

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